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Opinion




座禅草

 

栄養剤について思うこと

先日のテレビ討論で,ある政党の幹事長が銀行への資本注入を「風邪を引いたら医者に行って注射してもらう様なものだ・・・」と言っていた.私はここで政策批判をしようというわけではない.日本の政治をリードするいわば英知の固まりであるはずの方にして,医療がこの程度にしか理解されていない現実を憂いたいのである.

 運動選手が病気を押して出場していると,「点滴を受けながらがんばっています・・・」とか,有名スターが過労で倒れると「点滴を受けながら仕事をやり遂げました・・・」などと英雄視すると共に点滴の威力が絶大であるかのような誤解をまことしやかにアナウンスしている.点滴しなければならないほど体力が弱り,脱水状態に陥っているのであれば,運動などもってのほかで,点滴以前にベッド上で安静にしている事の方が治療としてはずっと優先順位が高いはずである  

 酒は百薬の長と勧める医者が名医ともてはやされ,アルコールやたばこの害を説く医者は,患者の心を理解しない野暮な堅物と軽蔑されたりもする.これらはひとえに医療や健康に対する日本人の思い違いに起因するものであろう.アリナミンV,リゲイン,リポビタンD,ユンケル等の新聞・雑誌やテレビのコマーシャルを見れば,24時間休みなしで働けるかのように誤解をし,病院に行けばこれよりもっと効果のある栄養剤があるかのように期待するのは当然のことである.これを放置したまま過労死がどうのという議論をしている行政には,知性の微塵も感じられない.

タモリ所ジョージも好感の持ってるタレントではあるが、どうしてこんなに軽々しく影響力の大きいコマーシャルに出てくるのだろうか.みのもんたの昼番組も、ばかげていることにいいかげんには気がつきそうなモンである.栄養(食品)というものは、まんべんなく摂取して健康体を維持するために必要なものであり、欠乏症(栄養失調)でない限りはそれを余分に摂取したからといって(一部の特殊な例を除いては)病気が治るわけではない.こうした番組を見た人の中には、現在治療中の大事な薬を止めて、番組が紹介した食品で病気を治そうとチャレンジしてしまい、不幸な結果に陥る人も多いのだ.

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