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Essay
医療の第一線から "頭痛の種"




ナンテンハギ(金川の森・9/2002)

 

リウマチ友の会機関誌「流」.143:33,1989.

田舎の町医者として開業し4年目になります。順天堂大学時代には塩川優一教授、またUCLA時代にはピアソン教授、バーネット教授 から教えを受けたおかげで何とかひとり立ちし、患者さんの治療にあたることができております。

 膠原病内科を専攻していた関係上、慢性関節リウマチばかりでなく、エリテマトーデス、皮膚筋炎、混合性結合組織病といった内科疾患の患者さんもわざわざ遠方より来院され、責任の重大さを痛感しております。大学で診ていた患者さんよりも発病間もない方を診る機会が多いせいでしょうか、比較的軽症な方の割合が多いように思われます。従って高齢で活動性の強い数人の患者さん以外にステロイド剤を必要とする方がほとんどいないという状態です。

 ところが日頃の診療で頭を痛めていることがひとつあります。一般に慢性関節リウマチの患者さんは発病当初、必要以上に神経質になりがちです。しつこい関節の痛みと腫れ、不治の病に侵され、社会からとり残されてしまうかもしれないという思い込みなどで、無理からぬことと思います。最近では相次いで優れた抗リウマチ剤が開発され、病気のコントロールがうまくできる方が増え、嬉しいことです。病気の活動性が沈静化し、来院の度にニコニコして診察室のドアをあけ、弾んだ声で「パートの仕事にでかけることにしました」などと言われ、医者冥利につきる思いがします。

 しかし困ったことは、こうした状態が少し続きますと、だんだん病院から足が遠くようになることです。 診察の度に表情を観察し関節の様子を診て、医者の立場で薬の効果を判定、副作用の有無等をチェックします.有効性を確認できる治療を根気よく継続して、緩解状態を維持することが大切なのです.患者さんの痛みや不安が和らぐ頃、私の頭痛がはじまるというわけです。

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