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Opinion




野ブドウ(金川森林公園)
 

薬のはなし

薬は、正しく服用されてはじめて効果を現わします。薬は、飲まないですむのなら飲まないに越したことはありません。しかし、病気になり医者の診断を受けて薬が処方されたら、どうか医者の指示通り正しく服用して下さい。

 服用するのを忘れたり、マスコミや周りの人から「薬づけ」などといわれたりしている言葉を気にし過ぎて、勝手に薬の量を減らしてしまうと、薬を処方した医者にはその量でどのくらい効いたかを正しく判定できません。期待したほどの効果がないということで、さらに薬の量が増えたり、ほかの薬に変更する必要がでたりします。従って治るまでに時間がかかってしまう事にもなります。

 薬の効き方には個人差もあります。薬に対する感受性、つまり薬が効きやすいかとか、副作用が出やすいとか、また体重や年齢によっても効きかたに違いがあります。人間は、ひとりとして同じ人はいないのです。機械の部品と違って、みんなが少しずつ違っていますから、薬の効き方もひとりひとり違います。

 しばしば「私もその病気で、この薬が効いたから、あなたもこれを飲みなさい。」とか、「薬は副作用があるから、あんまり飲まない方がいいよ。」と周囲の人から言われ、間違えた薬の飲み方をしていることがあるようです。症状が似ていても違う病気はいっぱいあります。また同じ病気でもひとによって合う薬、合わない薬もありますし、状態によっても選ばれる薬の種類や量に違いがあります。

 たとえば、血圧を下げる薬は大きく分類して約10種類くらいに分類できます。さらにそれぞれの分類の中に約5〜10種類の薬があります。そのうえこのそれぞれの薬について多いものでは50社以上の会社が薬を作っており、それぞれ少しずつ特徴があります。従って血圧の薬とひとことで言っても1000種類以上の薬があります。医者はこれらの中からひとりひとりの患者さんにいちばん合う薬の種類と量を捜して処方しようとしているのです。ですから自分に処方された薬を人に上げたり、他人の薬をもらって飲んだりするのは、いけないことですし、危険でさえもあるのです。

  さらに、症状がすぐ良くならないからと薬の量や回数を医者に相談しないで増やしてしまうと思わぬ副作用が出ることもあります。薬にはいろいろな作用があります。病気を治すように働くのが主作用で、具合い悪くなるような作用が副作用です。たとえば、痛み止めの薬で痛みが取れるのは主作用で、人によってはその薬を飲むと胃の痛みが出るというのは副作用です。

 どんな薬にも有効な作用と副作用とがあり、この両方を天秤に掛けながら薬を選んで行くのが医者の仕事なのです。ですから薬の量を勝手に増やす事も非常に危険なのです。多少の副作用があったとしても、その薬だけがその患者さんにとって今一番必要な場合には、患者さんの了解のもとに継続しなければならないこともあると思います。けれども、ほかに選ぶことのできる薬があればすぐに変更することができます。また危険な副作用であればすぐ中止しなければなりません。ですから患者さんは指示された通りに薬を服用し、もし不都合なことがあればすぐに医者に相談しなくてはいけないのです。

 医者はいつも患者さんが正しく薬を服用しているかどうか、副作用が出ていないかどうか、効き具合いはどうかと心配しているのです。薬についての相談は近所の人たちにではなく、医者に話して欲しいのです。その薬が何に効く薬で、どのくらいの量が必要で、どんな副作用が出るのかは、その薬を処方した医師が一番よく知っているはずだからです。

 ほかの人に言われたからと勝手に薬の量を減らしたり、薬を止めてしまい不幸な結果となったり、軽くてすんだものがやっかいなことになった例はたくさんあります。でも親切なつもりで無責任なことを言ってしまったそのお節介な人は自分のためにそのように重大なことが起こってしまったことにほとんど気がついておらず、その上悪くなってしまったあなたのために何もしてくれるわけではありません。

 薬は「奇(くすし)」という言葉からきているとききました.珍しいこと、奇なることが起こるのが薬なのです。いつも食べていて、体の栄養になるようなものを薬とは言いません。薬と言うのは、人間にとっては異物なのです。これを患者さんに処方している医者は、患者さんに副作用はでていないか、充分に効果がでているか、必要以上に服用させていないかといつも細心の注意をし、心配しているのです。どうか何でもわからないことは医者に相談して下さい。それに答えるのも医者の仕事なのですから.

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