ピロリ菌

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は,口から入り胃の細胞に付着している細菌として1983年に発見されました.発見当初から慢性冒炎の患者さんに多く見られたことから,胃炎と密接な関係にあると考えられていました.

<ピロリ菌が胃十二指腸潰瘍の原因であることを発見したバリー・マーシャアルとロビン・ウォーレンは、2005年ノーベル医学生理学賞を授賞 しました>

 

潰瘍との関係

その後,胃・十二指腸潰瘍とピロリ菌についての研究がされました.治りにくい潰瘍(難治性潰瘍)や,再発を繰り返す潰瘍(再発性潰瘍)の患者さんに除菌治療をしたところ,高率に潰瘍治癒を認め,再発率が低下しました.

十二指腸潰瘍 胃潰瘍

 

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胃ガンとの関係

欧米では,胃ガン患者さんの血液中に高率にピロリ菌抗体を認めたために胃癌との関連が強く示唆され,WH0ではピロリ菌が胃ガン発症の危険因子であると発表しました(1995年).

40歳以上の日本人では約80%の人に感染しているという報告もあります.胃がんとの因果関係はまだはっきりしていませんが、感染のある人はない人よりも 5倍位危険度が高いという報告もあります.感染がある人は胃ガンの発生に注意して、定期的に内視鏡検査を受けるようにするのが良いと考えられます.

 

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除菌療法

1990年代後半から欧米を中心に潰瘍治療薬と抗生物質の併用療法によるピロリ菌除菌療法が行われるようになりました.

日本の厚生省は,2000年11月、条件付きで検査法と治療薬の健康保険適用を認可しました(制酸剤; プロトンポンプ・インヒビター、抗生物質; アモキシリンクラリスロマイシン ).2002年12月には、服薬の間違いを予防し、耐性菌の出現を減らす目的で 、この3剤1日分を1シートに包装した薬剤も発売されました( ランサップ).

強い胃酸の中で,胃壁に付いたピロリ菌に抗生物質を直接作用させないと効果が得られないため,除菌療法には,抗生物質を普通より多めに服用する必要があります.

そのため,出血性の下痢,肝機能障害等の副作用の出現も心配されます.これでも8 0%位の人にしか除菌は達成できませんが,除菌に成功した患者さんでは,再発が高率に予防できるといわれています.

 除  菌 治 療 の 一 例 

 

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