ウイルス性腸炎

ロタ・ウイルスノロ(ノーウォーク)・ウイルス(小型球形ウイルス)、腸管アデノ・ウイルスなどが原因で起こる 胃腸炎です. 冬に発生することが多く、風邪のように人から人へうつるので腸感冒(Stomach Flu)等とも呼ばれていました。

冬、乳幼児に激しいおう吐、水様便があればロタウイルスによる腸炎を考えます(冬季下痢症).ノロウイルスは生の貝類 (牡蛎やホタテ貝等)から感染することが多いと言われます.感染者が排便後の手洗いを完全にしないと周囲の人にも簡単にうつってしまいます.ウイルスは、便の中や吐物に排泄されますから看病する人の予防にも手洗いが必要です.

特別な薬はありませんが、3〜4日で自然に治ってしまうのが普通です.しかし、発熱や脱水症状が強い場合には、点滴や入院治療が必要となることもあります.

乳幼児で2、3日以上も発熱、嘔吐が続く時には、髄膜炎など別の病気を疑う必要もありますから、必ず受診して下さい.

 

細菌性腸炎

サルモネラ菌(鶏肉など)、ビブリオ(海産物など)、エルシニア(豚肉など)、病原性大腸菌(水など)、黄色ブドウ球菌(調理の者の傷口など)、カンピロバクター(肉類)などの細菌が原因で起こる下痢です。夏の食中毒がこの代表で下痢に発熱を伴うのが普通です.

最近では病原性大腸菌O−157という菌による腸炎が問題になっています。血便の見られる下痢で,激しいと尿毒症を引き起こし死に至る危険もあります.血便は、カンピロバクター、赤痢などでも起こります.

原因となっている菌の種類により有効な抗生物質がちがいます.従って、便の培養検査と,薬剤の感受性検査等が必要になります.

外国旅行中や帰国後間もなく始まる下痢は、法定伝染病(赤痢、腸チフス、コレラ・・・)のこともありますから、必ず受診し、旅行したことを伝える必要があります.

 

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通院での治療

 

1:食事療法

水分の補給により脱水(身体の水分が足りなくなった状態)の補正をするのが治療の第一目標です.栄養のことはしばらく忘れてかまいません.湯冷まし、温かいミルク、 温めたスポ−ツ・ドリンクやリンゴ・ジュース、コンソメスープなどが適当 (糖分と塩分が補給できる水分が理想的)です.

柑橘類(ミカン、グレープ・フルーツなど)のジュースは、酸味が強く胃を荒しやすいのでやめます

 

2:嘔吐に対して

吐き気が強かったり、繰り返し吐いているときには口から薬を飲めません.

特に、小児の場合は、吐き気止めの座薬を1ヶ肛門へ挿入します.薬が溶けて効き目が出てくるまでに30分位待ちます.その後、湯ざましをひとくちあげて、うまくおさまるようであればすこしづつ流動物を与えます.一度にたくさん飲ませるとまた吐いてしまうこともありますから、必ず少しづつ与えます.

水分がうまくおさまるようになったら、消化のよい食べ物を少しずつ摂取します.ヨーグルト、ゼリー、豆腐、粥、よく煮たウドン、バナナ、おろしリンゴ、柔らかく煮た野菜やそのスープ等がよいと思います.

 

3:点滴

長い間、口から水分の補給が出来ず、下痢が激しいと脱水状態が強くなり、体力が弱ったり発熱したりするようになります.糖分の補給が長時間ないと、吐き気が止まらなくなってしまう事もあります(自家中毒)。そんな時には、点滴で水分と糖分を補給すると、熱が下がり、吐き気が止まるようになります.

下痢を起こす細菌やウイルスは、便の中に排泄されます.日頃から、石鹸を使い、流水下で充分手洗いをする心がけが必要と思われます

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